記憶の海の底から [日記のようなもの]
記憶の海の、とてもとても深いところに沈んでいたもの。
時が深みへと押しやったのか、
あるいは私が自分で沈めてしまったのか。
その人の顔を見ているうちに、
泡が立ちのぼるように
次から次へと甦ったたくさんの記憶。
その人、彼は信念の人でした。
そのリーダーシップは、天性のものであったに違いありません。
10代だった私や、彼の周りにいた若者達(じつは彼も十分、若者だったのですが)は皆、
頼れる兄のように彼のことを慕っていました。
生きることについて
愛について
信仰について
どれだけ多くの会話が交わされたことでしょう。
楽しむことにも貪欲だった彼は、
美味しいものが大好きで、
面白そうな遊びには片っ端から手を出していましたね。
たくさんの楽しい時間を一緒に過ごすことができました。
間違いなく、彼は私の人生の大きな礎となった人です。
どうしてそんな大切なことが海の底深くに沈んでしまっていたのか。
(あるいは、沈めてしまっていたのか。)
そのために、もう二度と彼と話をすることはできなくなってしまいました。
私はどこかで間違えてはいなかったか。
今、彼の答えを聞きたいのです。
でもきっと、その答えは甦った記憶の中にあるのでしょう。
それを甦らせてくれたのは彼なのですから。
いつか、神様のおそばで再び会えた時には
積もる話をたくさんたくさん語り合いましょう。
それまでしばらく、さようなら。
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